EYEVAN 7285 の本鼈甲
EYEVAN 7285 の本鼈甲
Genuine tortoiseshell from EYEVAN 7285
高級革靴や機械式時計のようなこだわりのある逸品を身に着けたいと思える年齢となり、それにふさわしい眼鏡とはなにかと考えたときに真っ先に浮かんだのは「鼈甲」という素材でした。
鼈甲という最高の素材を使用するにあたり、製作をお願いする最高のパートナーとして選んだのは鼈甲枠において日本屈指の老舗メーカーであり、鼈甲のことを熟知している大澤鼈甲。
構想から約二年の歳月を経て、何度も大澤鼈甲に足を運び、デザインチームが自信を持ってご提案できる鼈甲の眼鏡がようやく完成し、発表にいたりました。
鼈甲の眼鏡を製作する上で重要視したのはパーツ。最高品質の鼈甲の品位に合わせパーツも特別でないと意味がないと考え、最高のパーツを探し始めました。通常のアセテートの眼鏡と違い鼈甲に使用されるパーツにはさまざまな制約があり、パーツにこだわっている私たちにとっては大きな壁となりました。
理想のパーツを探している中で出会ったのが数十年前に設計され、長い間使われていなかったヴィンテージパーツのK18 蝶番。私たちはこのK18 の蝶番をこのコレクションのために復刻することにしました。新たに型から作製し、7285ロゴを刻印した蝶番はネジもK18にし、さらに贅沢な仕上がりとなりました。
また本体同様に鼻パッドにも鼈甲を用い、取り付けるクリングスアームもオリジナルでチタンで作製するなど、従来の鼈甲枠ではなし得なかった、細部にまでこだわり抜いた仕様となっております。
この鼈甲枠のために選んだ玉型は、2018 年のAWコレクションで発売したサングラスモデルである「770」。デザインチームの中でも愛用者が多く、ファンの間でも隠れた名品と言われている「770」を鼈甲という素材に最もマッチするデザイン、設計にモディファイしました。品番は44 サイズを「Ⅰ」、47 サイズを「Ⅱ」としました。
現状、鼈甲素材の眼鏡は劣化を防ぐために市場にあるほとんどのものはコーティングが施されていますが、ヴィンテージの鼈甲枠と同様に、この「Ⅰ」「Ⅱ」にはあえてコーティングを施しておりません。
コーティングを施さないことにより、天然素材特有の鼈甲の素地の見た目の美しさのみならず、鼈甲本来の肌あたりの良さと吸い付くようなフィット感を感じていただけると思います。また定期的にメンテナンスをおこなうことで十分に永くご使用いただけます。
しのみ部分には70年代のEYEVANでも用いられているストライプを刻み、見た目の美しさと滑り止めの効果があるEYEVAN 7285 らしい仕様となっております。これも従来の鼈甲枠にはみられない珍しい仕様です。
こだわり抜いたパーツも外側に一切出さず内側に関しても表記などを最低限にし、鼈甲という天然素材の良さを贅沢に味わっていただけるようにと考えました。
鼈甲の色味も「黒甲」「茶甲」と二色の鼈甲をご用意しました。「黒甲」と呼ばれる甲羅の中でも黒い部位からとれる希少で珍しい色。数年前だと黒い種類のタイマイと呼ばれる亀がとれたようですが、近年はワシントン条約により一切の供給がなく、一般的には世に出回ることがなくなってしまいました。
今回は限りなく黒に近い鼈甲を探し、念願の「黒甲」をリリースすることができました。
また「茶甲」は一般的な鼈甲柄と呼ばれる柄よりもさらに透明度をもたせ、不純物の少ない部分を使用した、顔なじみの良さが特徴です。
決してヴィンテージフレームでは見つけることができないまさにネクストヴィンテージといえる最高の鼈甲枠がEYEVAN 7285 直営限定モデルとして誕生しました。
MODEL:770 I(44サイズ) II(47サイズ)